【1日1問!〇×会計クイズ】現金預金・金融商品⑥


加藤大吾
(公認会計士・税理士)

公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。

○×問題

その他有価証券として保有するⅮ社株式(取得価額10,000円、前期末時価3,000円、前期に減損処理済み)について、当期末時価が12,000円となり、貸借対照表のその他有価証券評価差額金が2,000円計上される。

解答

×

前期末に減損処理を行い、時価3,000円まで評価減をしており、切放法により翌期首の帳簿価額となる。よって、当期末の時価評価にあたり、当期末時価と比較する帳簿価額は前期末時価となる。したがって、決算整理仕訳は次のようになる。

(借)投資有価証券 9,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 9,000

※ 12,000円(当期末時価)-3,000円(前期末時価)=9,000円(評価差益)

解 説

根拠となる会計基準:金融商品に関する会計基準

(6)時価が著しく下落した場合
22. 第20項及び第21項の場合には、当該時価及び実質価額を翌期首の取得原価とする。

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


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