誰かに話したくなる税金喫茶~悩み多きユーチューブ


 昨年細々とやっていたユーチューブを久々に再開することになりました。気持ちとしては楽しみ2割、怖さ3割、恥ずかしさ5割くらい。自分の顔をパソコンの画面で見ることにはいつまでたっても慣れないものですね。

税理士=素敵、というイメージを作りたい

 撮影をする際に気になるのはやはり身だしなみ。もともと税理士自体のイメージ改善につながればと思って始めたものですから、「税理士って汚いおっさんなのね…」と思われてしまったら元も子もありませんから、去年も毎回撮影の前には美容室に行ったり伊勢丹で洋服を買ったりしていたのですが、あらためて考えてみると、そういった費用は経費になるものなのかが気になり始めました。

 ネットなどを見ていても「ユーチューバーは経費をどこまで計上できるか?」のような記事がたくさんあるのですが、税理士たるものそんな怪情報に頼ってはいけません。過去の事例をみてみたところ、ライブチャット業務をやっていた方の経費の範囲が争われた事例がありました。

だからといって私用で使えないものを買うのもイヤ

 この事例では、自宅でライブチャットの配信を行っていた方が確定申告の際、配信で使用するパソコンやウェブカメラ、それに加えて衣服、水着、ソファー、カーテンなど画面に映りそうなものをねこそぎ必要経費としていました。しかし、税務署はそれを認めず、最終的に認められたのはパソコン、ウェブカメラとインターネット接続料金のみ。それ以外は却下されてしまいました。理由としては、どのように使っていたかの客観的な証拠がなく、質問への回答も終始場当たり的で一貫せず信用できないというものでした。

 この結果をさらっと見ると、私の美容室代や洋服を経費にできる可能性はないようにも見えます。しかし、よくよく読むと「客観的な証拠」や「一貫した信用できる説明」があれば経費にできる気がします。私の場合、切りたてのさわやかな髪型で普段は着なそうな小洒落た洋服を身にまとい、軽快なトークをしている動画がネット上に残っていますので多少はごねる余地がありそうです。しかし厳しいのが「動画撮影をしないとしたらこれらの経費は掛からない!」とは言えない点。動画撮影しなくても散髪はしますし、ユーチューブ用に買った洋服も最近では普段着としてその洋服は着てしまってる…。そう考えるとまったく勝ち目がある気がしないですね。

 しかし、経費にならないからといってちゃんとしないわけにもいきません。皆さんに観られても恥ずかしくないよう、素敵税理士ぶりながら頑張りたいと思います。

本稿は、『会計人コース』2019年12月号に掲載したコラムです。

髙橋 創(税理士)
税理士受験講座の所得税法講師、会計事務所勤務を経て、新宿で独立開業。新宿ゴールデン街のバー『無銘喫茶』(http://mumei.co.jp/)のオーナーでもある。『図解いちばん親切な税金の本19-20年版』『フリーランスの節税と申告 経費キャラ図鑑』が好評発売中。YouTubeで『二丁目税理士チャンネル』を運営中。

イラスト・レイアウト:ヨシムラヒロム


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